ゼロクリック検索とは?アクセス減の実態とAI時代に取るべきWeb戦略

ゼロクリック検索とは?アクセス減の実態とAI時代に取るべきWeb戦略

AIが要約してくれるなら、コンテンツを発信する意味ないですよね?

ここ半年でこの質問を何度聞いたかわかりません。正直に言うと、この疑問は正しい方向を向いています。

Knowクエリの大半でAIOが回答を出し、ユーザーはどのサイトもクリックしない。アクセスが落ちるのは構造的な変化であって、SEO施策の失敗ではありません。

ただ、「書く意味がない」という結論は間違っています。
理由は単純で、コンテンツを公開しなければAIに存在を認識すらしてもらえないからです。当社ではこれを「AIへの年貢を納める記事」と呼んでいます。

この記事の結論

ゼロクリック検索は今後も進行します。ただ、取れる戦略は存在します。この記事のポイントを整理するとこうなります。

  • ゼロクリック検索は進行中の現実であり、日本ではAIO表示時のCTRが約38%減(Ahrefsの2026年3月調査)
  • AIOはKnow系クエリだけでなく、「おすすめ」「比較」などの商業系クエリにも表示される。2026年現在、ほぼ全クエリタイプが対象になりつつある
  • だからといってコンテンツ発信をやめるのは逆効果。AIに認識されるには一定の情報量が前提になる
  • 目指すべき状態は「引用(Citation)」ではなく「言及(Mention)」。AIの回答文中に社名・サービス名が登場することが、ゼロクリック時代のブランド接触になる
  • ただし言及を獲得するには、自社コンテンツだけでは足りない。他社サイトでポジティブに取り上げられることが最終的に必要になる。

AIに対する年貢としておけば、クリックによるリターンは期待しないで済みます。それでも納めないと、AIの世界に自分の名前が登場しなくなります。

目次

数字で見るゼロクリック検索の現在地

まず、当社が実際に支援しているWebサイトのSearch Consoleデータをお見せします。

SEO順位は向上しているがクリック数は減り続けている
SEO順位は向上しているがクリック数は減り続けている

紫が合計表示回数、青がクリック数、オレンジが掲載順位です。2025年後半から表示回数(紫)は明確に上昇し、2026年にかけてさらに伸び続けています。

順位(オレンジ)も同期間でじわじわ改善していますが、クリック数(青)は横ばいどころか微減しています。

検索需要は増え、順位も上がっている。それでもクリックが増えない。季節変動では説明のつかない「3点セットの乖離」がここに出ています。もちろんこれは一社の事例であり、サイトの特性によって影響の大小は異なります。ただ当社では、複数のクライアントで似たような傾向を確認しています。

この「順位とクリックの乖離」を裏付けるデータが、国内外の調査でも出始めています。

AhrefsがGoogle Search Consoleのデータをもとに分析した調査(Web担当者Forum経由・2026年3月公開)によれば、AI Overviewsが表示されるクエリにおける検索1位のCTRは、グローバルでは7.3%から1.6%へと約58%減。

CTRは世界で58%減、日本で38%減
yahoo掲載画像を引用

日本市場でも5.8%から1.8%へと約38%減になっています(2023年12月→2025年12月の比較)。注目すべきはその推移速度で、グローバルでは2025年4月時点の34.5%減から同年12月には58%減へと、8ヶ月で倍近くに悪化しています。

一方、株式会社ヴァリューズとnoteが共同で実施した2025年9〜10月の調査では、Google検索全体の63.5%がゼロクリックで完結していることが示されています。裏を返せば、検索からサイトに流入しているのは全体の約36.5%しかいません。

さらにNTTドコモ モバイル社会研究所の調査(2026年2月・Web担当者Forum)でも、「AI要約だけで検索が完結した」という経験をしたユーザーが6割を超えることが報告されています。

ただし、同じ株式会社ヴァリューズの調査では「検索ユーザー数そのものは減っていない」という点も示されています。2023年10月から2025年9月まで約6,000万人規模で横ばい推移。つまり、検索行動は続いているが、その後の行動が変わった。これがゼロクリック問題の本質です。

無料Web診断
貴社のWeb戦略、
”勝ち筋”は見えていますか?

Question 1/5

Q1. 競合と自社の「差分」や「立ち位置」を、
毎月定量的に把握できていますか?

診断イラスト

Googleによるゼロクリックに関する公式見解

Googleは公式に「検索からWebサイトへのトラフィックは年々増え続けている」と説明しており、ゼロクリックの深刻さを否定しています。

Google I/O 2024の発表では「AIOに掲載されたリンクは通常の検索結果よりクリックされる割合が高い」「より多様なサイトへの訪問が増えている」と述べており、Google Search Centralのブログ(2025年5月)でも「AIO経由のクリックは質が高く、サイト滞在時間が長い」という主張を繰り返しています。

With AI Overviews, people are visiting a greater diversity of websites for help with more complex questions. And we see that the links included in AI Overviews get more clicks than if the page had appeared as a traditional web listing for that query.

We’ve seen that when people click to a website from search results pages with AI Overviews, these clicks are higher quality, where users are more likely to spend more time on the site.

「シンプルな即答クエリが完結するのはユーザーの利便性向上であり、購買意図の高いクエリではむしろクリックが生まれている」というのがGoogleの立場です。

この見方が完全に間違っているとは言えません。
ただし、当社が複数のクライアントのSCデータで観測しているのは「情報収集系に限らず、購買寄りのクエリでも順位改善とCTR改善が連動しなくなってきている」という傾向です。

Googleの主張と現場の実測値の間に乖離が生まれているのが、2026年現在の現実です。

AIOはKnow系だけじゃない!「おすすめ」「比較」にも出現する

「AIOが出るのはナレッジ系のクエリだけ。購買につながるクエリは影響が少ない」という見方をするマーケターがいます。
2024年頃までならそれで概ね合っていましたが、2026年現在では話が変わっています。

SEO研究チャンネルが2025年5月に8万2,772キーワードを対象に実施した調査では、AIOの表示率はインフォメーショナル(情報収集系)が最多でしたが、コマーシャル系(「○○おすすめ」「○○比較」など)が22%、トランザクショナル系(具体的な行動を伴う)が13%と、DoクエリでもAIOが出現していることが確認されています。

平さん運営のSEO研究チャンネルよりhttps://note.com/seolabochannel/n/nc459c1540277

購買寄りのクエリを含めると実に35%がDo系で、もはや「Know系だけの話」とは言えません。同調査では「クレジットカード おすすめ」のような高単価の金融系コマーシャルクエリにもAIOが表示されることが確認されています。

当社が2026年3月現在に確認しているキーワードにおいても、「○○とは」「○○の費用」「○○業者 選び方」といったBtoBマーケに典型的なクエリでAIOが頻繁に表示されるようになっています。

これらはかつてコンテンツマーケティングの主要ターゲットだったクエリです。その多くがAIOに吸収されつつある、というのが現実です。

「コンテンツ発信に意味がない」論が間違っている理由

ここで冒頭の問いの「AIOが回答するなら情報を発信する意味はないか」に正面から答えます。

結論:書かなければAIに無視されます。

AIのLLM(大規模言語モデル)は、Webに存在するテキストデータを学習して知識を形成しています。あなたの会社の強みや専門性が、どこにも文章として公開されていない場合、AIはその専門性を知る手段がありません。「○○業界の専門会社といえばどこですか」という問いに、AIはあなたの会社名を挙げることができないのです。

さらに厄介なのが権威性の問題です。AIは「多くのサイトが引用している情報源」「専門的な論述が積み上がっているサイト」を重視する傾向があります(私見が含まれますが、LLMのトレーニング構造から導けるほぼ妥当な仮説です)。

コンテンツの蓄積がなければ、AIOに引用されるどころか参照対象にすら入らない。つまり、ゼロクリック時代に「コンテンツをやめる」という選択は、AIの世界での存在ごと消すことを意味します。

コンテンツ発信はAIへの年貢?クリックされなくても書き続ける論理

当社では、LLMO対策を目的としたコンテンツを「AIへの年貢」と呼んでいます。

年貢という言葉を使うのは意図的です。期待するリターンが「クリック」や「流入」ではなく、「AIの知識体系の中に自社の名前・専門性を刻み込む」ことだからです。

年貢を納めなければ、領主(AI)の管轄から外れる。クリックされなくても、AIに認識・言及されることを主たる目的として書く記事群のことです。

LLMOの仕組みとAIO対策の全体像については LLMOとはなにかAIO対策とは の記事で、それぞれ詳しく解説しています。

ゼロクリックが進む中でもコンテンツを書き続ける理由を整理するとこうなります。

  • AIはWebの情報を元に回答を生成する。発信していない専門性はAIに存在しない
  • AIの回答に自社名・サービス名が登場すること(言及)が、ゼロクリック時代のブランド接触になる
  • 言及された社名をユーザーが後で指名検索する行動が、最終的なCV経路になる
  • コンテンツの蓄積は権威性のシグナルとして機能し、AI引用の対象になりやすくなる

ただし、これは「何でも書けばいい」ではありません。AIに認識されやすいコンテンツには構造と条件があります。次章から具体的に解説します。

「自社コンテンツの発信」と「他社言及」の掛け合わせが必要な理由

自社コンテンツの発信(AIへの年貢)だけを積み上げても、AIOへの言及は完全には獲得できないと当社は見ています。

理論上、AIOが「○○業界の専門企業といえば△△社」と回答するようになるためには、以下の掛け合わせが必要です。

  • 自社コンテンツの蓄積(専門性・権威性をAIが学習できる状態にする)
  • 他社サイト・メディア・SNSでのポジティブな言及(AIに「この会社が業界で評価されている」と判断させる材料)

どちらか一方では不十分です。自社コンテンツが充実していても、他のサイトに一切登場しない企業をAIは「業界の専門家」とは判断しにくい事実。(自分は医者だ!と言っても、他人が認めない限り信憑性が乏しいからです)

一方で、他社に取り上げられていても自社に情報が何もなければ、AIはその会社の専門性を把握しにくい。つまり、「自社コンテンツの発信」と「他社言及」の掛け合わせによってブランディングが醸成され、AIOに表示される構図になっています。

他社での言及というのは、業界メディアへの寄稿・プレスリリースの配信・SNSでの第三者からの言及・比較サイトへの掲載などが該当します。従来のSEOにおける「被リンク獲得」の考え方に近いですが、目的がリンクジュースではなくAIへのシグナル送信に変わっています。

このあたりの考え方に関しては、E-E-A-TはなぜLLMO対策の核心なのか?AIの信頼判断を動かす仕組みと実践手順で詳しく解説しています。

ただし、言及されてもゼロクリックで終わる可能性は残る

ここまでの話を踏まえると「コンテンツを整えて他社に言及されれば解決する」という結論になりそうですが、もう一段踏み込んでおく必要があります。

仮に自社がAIOの回答文中に言及されたとしても、その検索クエリ自体が「AIOの回答で完結する質問」である場合、ユーザーはそのままゼロクリックで検索を終了します。「○○業界の集客でおすすめの会社は?」という問いにAIOが3社を挙げて説明し、ユーザーがそれを読んで終わりにするケースがこれに当たります。

AIOに言及されること → 認知の接触が生まれる → 後日指名検索 → サイト流入・問い合わせ、という間接的な経路を想定して設計する必要があります。「AIOに出れば流入が増える」ではなく、「AIOに出ることで後の指名検索につながる」という迂回した経路です。

もう少し先の未来を見据えると、この構造はさらに深刻な意味を持ちます。

「AIに推薦されることで、初めて候補に入る」・・・これが当たり前になった世界では、裏返しとして「AIに推薦されないことは、候補にすら入らない(認識すらされない)」という状態が生まれます。Googleの検索結果なら、スクロールすれば10位以下の会社も一応存在は確認できました。しかしAIが3〜5社に絞り込んで回答する世界では、選ばれなかった会社はユーザーの視野に文字通り存在しません。

積み上げのある大手・老舗がAIの知識に先に刷り込まれ、後発組は認識の起点すら持ちにくい。年貢の話に戻るようですが、誰もやっていないうちに納め始めた企業が、領主(AI)の名簿に早く載りやすいでしょう。

この点は当社としても現時点では仮説の部分が大きく、業界全体として検証が進んでいる段階です。ただ、少なくとも「AIOに何も出ない状態」より「言及されている状態」のほうが優れているのは確かです。

「引用」と「言及」を混同すると対策の方向が変わる

LLMO対策を考えるうえで、絶対に混同してはいけない2つの概念があります。当社が支援先のマーケ担当者に最初に確認するのもこの点です。

引用(Citation)とは、AIOがURLをソースとして参照・表示することを指します。「参照:○○.co.jp」と出る、あれです。コンテンツの品質や信頼性への評価であり、被リンクに近い感覚で捉えてください。

言及(Mention)とは、AIの回答文の中に社名・ブランド名・サービス名が登場することです。URLは表示されないかもしれませんが、「△△社のサービスが適しています」「○○という手法は△△社が提唱しています」のように、ブランドが回答の一部になっている状態です。

ゼロクリック時代に優先して目指すべきは「言及」です。理由は、引用されてもユーザーはURLをクリックしないからです。一方、言及された場合、ユーザーは会社名を記憶し、後で指名検索する行動が生まれます。アクセスが来なくても認知の種が蒔かれます。

クレジットカードのAIO結果

わかりやすく「クレジットカード どこが良い?」と検索結果に投げた場合、上記のように表示されます。ここで、指名されているサービスが目に留まり、再検索もしくはリンク先をクリックする動きとなります。

AIに正しく認識してもらうために実装すべき3つのこと

AIに正しく認識してもらうために実装すべき最優先となる3つを記載します。

  • 独自データ・一次情報を公開する
  • FAQをRAGに適した構造で設置する
  • schema.orgの構造化マークアップを実装する

① 独自データ・一次情報を公開する

LLMはトレーニングの過程で「多くのサイトが引用している元ネタ」を高頻度で学習します。結果として、引用される一次情報を持つサイトはLLMの重みづけが高くなるという構造があります(これは私見含む仮説ですが、複数の海外研究者も同様の見解を示しています)。

具体的には、業界調査レポートの公開、支援実績から導いた数値データ、顧客ヒアリングの集計結果などが有効です。大規模な調査でなくていい。「自社の顧客30件から聞いた○○業界のマーケ課題まとめ」レベルでも、他のどのメディアも持っていない一次情報になります。

② FAQをRAGに適した構造で設置する

AIOはRAG(Retrieval Augmented Generation=検索拡張生成)という仕組みで動いています。外部のWebページを検索して取得し、その内容を参照しながら回答を生成します。このとき「Q+A」のセットは、RAGが抽出しやすい最小の意味単位にマッチします。

FAQを設置する際のポイントは、質問文を「ユーザーが実際にAIに打ち込むプロンプト」の形にすることです。「ゼロクリック検索とは何ですか」より「ゼロクリック検索が増えたらコンテンツを発信する意味はなくなりますか」のほうが、実際の問いかけに近く、AIOに引用されやすくなります。

③ schema.orgの構造化マークアップを実装する

Googleのクローラーは構造化データを使ってコンテンツの意味をパースします。AIOを含むLLMベースの検索では、この「意味の解釈精度」がパッセージ抽出の精度を左右します。人間だけでなくAIに向けて意味を正確に伝えるインターフェース、という捉え方が実態に近いです。

最低限実装しておくべきは、下記3点。

  • FAQPageスキーマ(FAQセクションに対して)
  • Organizationスキーマ(会社情報・サービス内容の機械可読化)
  • ArticleまたはBlogPostingスキーマ(コンテンツの著者・日付・トピックの明示)

実装の詳細はGoogle公式の構造化データガイドラインを、バリデーションはリッチリザルトテストで確認できます。

これらがなぜ必要か?の回答としては、まず「正確な情報をAIが認識しやすくするため」です。この3つを施したから必ず活用されるわけではありません。

なお、クエリファンアウトとAIOの関係については クエリファンアウトとは の記事に詳しく解説があります。AIOがどのように情報を収集して回答を生成しているかを理解する補助線になります。

アクセス以外で何を測るか

ゼロクリック検索が進む環境で、オーガニックセッション数と検索順位だけをKPIにしていると実態が見えません。当社が支援先に補助指標として提案しているものを整理します。

  • 指名検索数の推移
    • Google Search Console上のブランド名・サービス名クエリの流入
  • 直接流入数の推移
    • GA4のDirect。AIチャット・ブックマーク経由が混在している
  • AIチャット経由の流入
    • GA4のreferralにperplexity.ai・chat.openai.com・gemini.google.comが含まれるか
  • 外部での言及数
    • 自社名・サービス名を定期的にサーチし、AIO回答・他社記事・SNSでの登場頻度を確認

株式会社ヴァリューズ×noteの共同調査をまとめた記事(note・上村菜穂氏)では、ChatGPTを中心としたAI経由の流入が2025年3〜8月の5ヶ月で約3倍に増加したことが示されています。GA4にAIチャット経由の流入がどれだけ入っているかを確認することが、ゼロクリック環境での新しいモニタリングの起点になります。

これらの指標が伸びていれば、オーガニックセッションが落ちていてもブランドとしての認知は広がっています。逆にセッションが維持されていても上記が停滞しているなら、AI検索による中抜きリスクが静かに蓄積しています。

ゼロクリック対策を設計するうえでは、AIがどのように情報収集・回答生成しているかの仕組みを理解しておくと戦略の解像度が上がります。LLMOとは何かAIO対策とはクエリファンアウトとはの3記事を合わせて読むと、この記事で書いた「年貢」「言及」「構造化マークアップ」がなぜ有効なのかの技術的な裏付けが見えてきます。

まとめ:ゼロクリックに「有効な対処法」はあるか

この記事を読んでいる多くの方が知りたいのは、ゼロクリック検索が進行していると分かった上で、それに対する有効な手が本当にあるのかという点だと思います。

正直に言います。「ゼロクリックを逆転させる魔法の施策」はありません。AIOがKnow系・Do系を問わず表示されるようになった今、オーガニックCTRが構造的に下がる流れは止められません。

ただ、取れる戦略は存在します。当社が現時点で有効だと考える対処法を整理するとこうなります。

  1. AIによる指名表示・推薦を狙い、CVRを高める導線を設計する。流入数が減っても、AIに推薦された状態で来るユーザーはすでに候補として自社を認識しているため、問い合わせへの転換率が高くなる可能性があります。量より質への転換です。
  2. マーケティング手法だけでなく、広報とタッグを組んでPRを強化する。業界メディアへの寄稿・プレスリリース配信・第三者からの言及を積み上げ、他サイトで自社名が取り上げられる環境を作る。これがAIへの「外部シグナル」になります。
  3. 広告・YouTube・SNSなど他媒体との連携した戦略を進める。検索流入一本足打法から脱却し、複数の接点でブランドと出会う経路を設計する。どの経路から来たユーザーもAIの回答で「知っている会社」と感じられる状態が理想です。

これら3つは独立した施策ではなく、組み合わせて機能します。自社コンテンツ(年貢)×他社からの言及(PR)×複数媒体での露出が重なることで、AIの知識体系に自社の専門性とブランドが刷り込まれていく。その積み上げが、ゼロクリック時代における唯一現実的な回答だと当社は考えています。

SEO/LLMOはベースラインとして維持しつつ、「ド顕在層」を直接狙う戦略も並行して動かす

もう一点、当社が中小企業のクライアントに対してよく言う話があります。

SEOもLLMO対策も、やらないよりはやったほうがいい。ただし、それだけに賭けるのはリスクが高いという話です。

「社外マーケティング室」として数多くの中小企業を見てきた実感として、SEOやLLMOは本質的にレッドオーシャンです。大手メディア・上場企業・専任チームと同じ土俵で戦うことになる。そこに限られた予算と工数をフルベットするのが、必ずしも正解ではありません。

一方で、「今すぐ発注先を探している」というド顕在層に対して、リスティング広告やフォームアプローチ・ダイレクトな問い合わせ導線で直接アプローチする戦略は、BtoBの場合は特に競合が少ない分ブルーオーシャンになりやすいです。ニッチに絞れば絞るほど、商談が生まれる可能性が高くなるケースを当社は何度も見ています。

つまり当社が推奨するのは、SEO/LLMO対策は「名簿に載るための最低限」として継続しつつ、ド顕在層へのダイレクトアプローチで実際の売上を先に作る、という二軸の構造です。ゼロクリックが進む環境だからこそ、「検索されるのを待つだけの戦略」からの脱却が、中小企業にとって現実的な突破口になります。

当社が見ている限り、この点を戦略として設計できている中小企業はまだほとんどいません。年貢を納め始めるなら、今が先行者になれる局面です。

具体的に何から始めるか相談したい場合は、こちらからお問い合わせください。当社では「社外マーケティング室」として中小企業のLLMO・AIO対策を一気通貫で支援しています。

よくある質問

ゼロクリック検索に関するFAQです。

ゼロクリック検索が増えても発信・コンテンツ投資を続けるべきですか?

書き続けるべきです。コンテンツを公開しないとAIに存在を認識してもらえません。ただし目的が変わります。クリックを獲得するための記事から、AIの知識体系に自社名・専門性を刻み込むための記事へ。当社ではこれを「AIへの年貢」と呼んでいます。

AIOはKnow系クエリにしか表示されないですか?

現在はそうではありません。SEO研究チャンネルの2025年5月調査では、「○○おすすめ」「○○比較」といったコマーシャル系クエリでも22%、取引系クエリでも13%でAIOが表示されています。2026年3月時点では、ほぼすべてのクエリタイプでAIOが出現する状態になりつつあります。

ゼロクリック検索による流入減少をGA4でどう確認できますか?

Google Search Consoleでインプレッション数は変わらないのにCTRが下落しているクエリを抽出することで確認できます。また、GA4でセッション数と問い合わせ数の比率が変化していないかも合わせて確認してください。セッションが減っているのに問い合わせ率が下がっていなければ、流入の質は保たれています。

言及を獲得するには何が必要ですか?

自社コンテンツの発信(一次情報・FAQ・構造化マークアップの実装)が前提になりますが、それだけでは不十分です。AIが「この分野の専門企業といえば△△社」と判断するようになるには、他社メディア・業界サイト・SNSなどでポジティブに取り上げられる実績が必要になります。これはコンテンツ施策と並行して設計が必要な、いわゆるPR・メンション獲得の領域です。

AIOの「引用」と「言及」の違いは?

引用(Citation)はAIOがURLをソースとして表示すること。言及(Mention)はAIの回答文中に社名・サービス名が登場すること。ゼロクリック時代に企業が優先して目指すべきは言及です。引用されてもユーザーはURLをクリックしませんが、言及されると会社名が記憶され、後の指名検索につながります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

勝浦 聖史のアバター 勝浦 聖史

大学卒業後、旅行・観光業界を経て東証スタンダード上場の株式会社ジオコードに入社。SEOディレクターとして累計1,200社以上のサイト解析・設計に携わる。その後、東証グロース上場の株式会社AViCにて、SEO・LLMO(AI検索最適化)・LINEマーケティングの技術責任者を歴任。独自ツールの開発による自動化で月間150時間の削減を実現し、部門の営業利益率を3%から27.1%へ改善し、事業に貢献。株式会社ワクドリを創業し、内部に入り込んで泥臭く「実行」まで伴走し共創するパートナーシップを掲げてプロジェクトに取り組んでいる。

目次