競合が増えすぎて、差別化が難しく集客が厳しい・・・
そんな不安を抱えながら、この記事にたどり着いたのではないでしょうか。
結論から言いますが、ハウスクリーニング市場は、エリアによってまだまだ成長余地があります。 しかし、「普通にやって成功する」パターンは存在しないので、どう戦略を立てていくか?がポイントです。
この業界の
『ゲームのルール(全国視点)』
- 市場規模は拡大している
- 2023年約5,633億円から2024年約6,158億円へ、前年比+9.3%成長。ビルメンテナンス業界全体も+4.2%と堅調。
- 需要の質的変化
- 単なる「掃除代行」から「時間を買う価値」「信頼できる業者選び」へ。Googleマップの口コミが選択の決め手に。
- 季節需要の爆発を取りこぼさない
- 年末大掃除の依頼数は過去5年で4.3倍に増加。この波に乗れるかが勝負。
ハウスクリーニング市場は、「全体のパイは拡大しているが、『信頼される業者』『地域密着型の戦略』を持つ事業者に需要が集中する市場」になっています。
- 最大のリスクはスタッフ不足
- 業界全体の89.5%が「現場従業員が集まりにくい」と回答。人材不足は最大の経営課題。
- マーケットの整理例
- 例えば、横浜市の高齢者世帯(約74.8万世帯)は持ち家率80%。定期メンテナンス需要が見込める最優先ターゲット。
- 勝機は高齢化エリア
- 共働き世帯の増加(全国1,315万世帯)と高齢化の同時進行。両方のニーズに応えられる事業者は少ない。
繰り返しますが、ブランド名や一定の知名度がない場合、単なるSEO・MEO対策だけでは勝てないと当社は見込んでいます。
まずは商圏範囲内の市場全体を俯瞰したうえで、エリアに合わせた戦略を設計していきましょう。
”勝ち筋”は見えていますか?
Question 1/5
Q1.
競合と自社の「差分」や「立ち位置」を、
毎月定量的に把握できていますか?
本レポートで使用したグラフ・チャートは、上記公的統計および業界調査データをもとに作成しており、一部の推定値・概算値は、複数データソースを組み合わせて算出しています。最新データの詳細は、各出典元の公式サイトをご確認ください。
市場規模と成長性
全国ビルメンテナンス協会、総務省、横浜市統計局などの公的機関データに基づき当社なりにまとめてみました。
ここで解説する「市場規模の読み解き方」や「顧客セグメントの分類手法」は、全国どのエリアにもそのまま適用可能です。ご自身の商圏データに置き換えながら読み進めてください。
まずは全国規模で、ハウスクリーニング市場がどのように変化してきたのかを見ていきましょう。
2022年
5,405
億円
2023年
5,633
億円
2024年
6,158
億円
ご覧のとおり、ハウスクリーニング市場は年率5〜10%で成長しています。

背景には、共働き世帯の増加、高齢化、そして「時間を買う」意識の高まりがあります。
ポータルサイト依存の「薄利多売」から脱却できていますか?
Question 1/5
Q1.
広告費や手数料を引いた「各利益率」を、
適切にコントロールできていますか?
ビルメンテナンス業界全体の動向
ハウスクリーニングは、広義の「ビルメンテナンス業界」に含まれます。業界団体の最新データを見てみましょう。
市場規模(2023年度)
4.4兆円
ビルメンテナンス全体
成長率(2023年度)
+4.0%
前年比
2024年度
+4.2%
継続成長
ビルメンテナンス全域でも市場規模は成長している傾向が見受けられます。
全国の清掃業の事業所数(令和3年経済センサス)
| 分類 | 事業所数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 個人事業主 | 41,500事業所 | 61.0% |
| 法人 | 26,512事業所 | 39.0% |
個人と法人合わせて約68,012事業所が全国にあり、個人事業主が6割以上を占める業界です。
つまり、「法人化」「組織化」「ブランド構築」ができれば、差別化は十分に可能ということです。
家庭向けハウスクリーニングの経営課題
J-Net21の実態調査(2025年、全国1,000人対象)から、家庭向けハウスクリーニング固有の経営課題を見てみましょう。
家庭向けハウスクリーニングの利用判断基準は下記3点が重視されます。
料金の明瞭さ
47.0%
最重視項目(利用者181名)
業者の信頼性・口コミ
22.7%
第2位の重視項目
スタッフの対応・技術
19.3%
第3位の重視項目
どこの作業に、どれだけの費用がかかるのか、相場から逸脱して高くないか?といった料金の明瞭さを、ユーザーは最も気にしていることが伺えます。
家庭向けハウスクリーニングをユーザーが利用する理由
家庭向けハウスクリーニングの成功要因は「料金の明瞭さ」「信頼性」「技術力」でしたが、ハウスクリーニングを使う理由はどういったものがあるのでしょうか?
調査したところ下記3点が挙がってきました。
掃除しにくい場所の清掃
46.4%
最多の利用理由
頑固な汚れの除去
28.7%
第2位の利用理由
時間と労力の節約
15.5%
第3位の利用理由

基本的に高所作業などの危険業務は行わないため、顧客対応力・デジタル戦略・料金明瞭化が差別化の鍵になります。
商圏エリアに落とし込んだ市場分析(モデル:横浜市)
全国データで市場の全体像を掴んだところで、いよいよ本題です。
ここでは、横浜市という具体的な商圏に絞り込み、「なぜここで高齢者×持ち家世帯戦略なのか?」を、統計データで徹底解剖していきます。ご自身の商圏エリアにすぐに活用できるように段階的に説明していきます。
横浜市の基礎統計
人口
377万人
全国第2位の政令市
世帯数
184万世帯
平均2.05人/世帯
高齢化率
25.3%
65歳以上 93.5万人

横浜市の高齢化率25.3%は全国平均29.3%よりやや低い数値ですが、絶対数では93.5万人となっており、業界内では巨大な市場と言えるでしょう。
持ち家率と居住形態の分析
ハウスクリーニングの主要顧客は「持ち家世帯」です。横浜市のデータを見てみましょう。
| 分類 | 割合 | 推定世帯数 |
|---|---|---|
| 持ち家 | 約59% | 約108.7万世帯 |
| 民営借家 | 約30% | 約55.3万世帯 |
| その他(公営・給与住宅等) | 約11% | 約20.3万世帯 |
持ち家率は、なんと約59%で推定世帯数は約108万世帯です。これを年代別の持ち家率にさらに分解すると下記のグラフになります。
世帯主年齢別の持ち家率と区別の持ち家率
さらに、世帯主の年齢別に持ち家率を見ると「戦略のヒント」が見えてきます。

高齢者世帯93.5万人のうち、約74.8万世帯が持ち家と推定されます。この層は、体力的な制約から自力清掃が困難で、かつ「大手ブランドの信頼性」を重視する傾向があるため、重要ターゲット層と言えます。
また、横浜市は18区ありますが、持ち家率には地域差があります。
| エリア | 持ち家率の傾向 | 戦略的含意 |
|---|---|---|
| 市南西部(戸塚区、栄区、泉区等) | 6割超 | 持ち家世帯の高密度エリア、最優先 |
| 中部エリア(港北区、都筑区、青葉区等) | 約6割 | ファミリー層が多く、年末需要が高い |
| 臨海部(神奈川区、西区等) | 5割未満 | 賃貸中心、退去時クリーニング需要 |
上記のようにエリアごとに戦略を変える必要があります。
持ち家率の高いエリアは「定期メンテナンス」、賃貸中心のエリアは「退去時クリーニング」が主戦場です。
横浜市の共働き世帯
高齢者だけでなく、共働き世帯も重要なターゲットです。横浜市の共働き世帯は推定で約50万世帯あるとされています。
共働き世帯は、時間的制約が大きく、「時間を買う」ニーズが高い層です。特に年末大掃除の需要は顕著で、過去5年で4.3倍に増加しています。
料金相場と価格戦略
複数のプラットフォーム実データから、2024-2025年の最新料金相場も見ていきます。
主要サービスの料金相場
| サービス | 相場レンジ | 中央値 |
|---|---|---|
| エアコンクリーニング (お掃除機能なし) | 8,000〜12,000円 | 約10,000円 |
| レンジフード | 10,000〜18,000円 | 約14,000円 |
| 浴室 (鏡のウロコ取りなし) | 15,000〜25,000円 | 約20,000円 |
| キッチン | 15,000〜25,000円 | 約20,000円 |
| トイレ | 7,000〜12,000円 | 約9,500円 |
| 水回り3点セット | 33,000〜45,300円 | 36,950円 |
| 水回り5点セット | 42,570〜62,000円 | 50,000円 |

間取り別料金相場(退去時クリーニング)
賃貸の退去時クリーニングは、間取りで料金が決まります。
| 間取り | 料金レンジ | 平均 |
|---|---|---|
| 1R/1K | 16,000〜24,000円 | 約20,000円 |
| 1LDK | 20,000〜30,000円 | 約25,000円 |
| 2DK | 20,000〜47,000円 | 約33,500円 |
| 2LDK/3LDK | 20,000〜35,000円 | 約27,500円 |
| 3DK | 33,000〜72,000円 | 約52,500円 |
| 4LDK | 68,000円〜 | – |

価格戦略の3つのポジショニング
市場は「低価格帯」「中価格帯」「高価格帯」の3層に分かれます。
低価格帯
- エアコン単価
- 6,000〜9,000円
- 主なプレイヤー
- 個人業者
- マッチングプラットフォーム
- ターゲット
- 価格重視層
- メリット
- 集客しやすい
- デメリット
- 薄利多売
- 品質のバラつき
中価格帯
- エアコン単価
- 9,000〜12,000円
- 主なプレイヤー
- チェーン
- 地域事業者
- ターゲット
- 品質と価格のバランス重視層
- メリット
- 適正利益を確保しやすい
- デメリット
- 差別化が必要
高価格帯
- エアコン単価
- 12,000〜15,000円
- 主なプレイヤー
- 大手ブランド
- プレミアムサービス
- ターゲット
- 信頼性
- 品質重視層
- メリット
- 高利益
- ブランド構築
- デメリット
- 集客難易度が高い
どこを狙うかで、マーケティング戦略が変わります。
低価格帯は競争が激しく利益が薄く、高価格帯はブランド構築に時間がかかります。
強力な仕入れ網やブランド認知ができているのなら、それぞれで勝負できますが、特に何もない状態では、どうしても中価格帯で「料金の透明性」「口コミ評価」「地域密着」での戦いになります。
年末大掃除の価格動向
ご存知のように、年末大掃除は料金が通常より高めに設定される傾向があります。
水回り3点セット
33,000〜45,300円
中央値: 36,950円
水回り5点セット
42,570〜62,000円
中央値: 50,000円
年末大掃除の依頼数は過去5年で4.3倍に増加しており、王道は、11月から早期予約キャンペーンを実施し、12月の繁忙期を分散させる手法です。
早期予約割引(10%オフ等)を提示すれば、顧客にもメリットがあり、事業者側も作業スケジュールを平準化できます。
顧客セグメント戦略 ― 誰をターゲットにすべきか
「すべての顧客を取りたい」という戦略は、結果的に誰にも選ばれません。例として、横浜市の市場データから導いた3つの優先顧客セグメントを解説します。
セグメント1:高齢者持ち家世帯(最優先ターゲット)
横浜市エリアを商圏とする場合、高齢者を軸に戦略を考えると成功する確率はあがりそうです
- 規模
- 横浜市の65歳以上人口93.5万人×持ち家率80% = 約74.8万世帯
- 定期需要
- エアコン、レンジフード、浴室の定期メンテナンス需要が高い
- 体力的制約
- 自力清掃が困難で、プロに依頼する意識が高い
- 信頼重視
- 大手ブランドや地域密着型の「顔の見える業者」を好む
- 決済手段
- 現金払い、電話予約を好む傾向(デジタルだけでは取りこぼす)
当社の調べによると、横浜市の高齢者持ち家世帯の市場規模は74.8万世帯あり、現在の利用率はおおよそ7.0%(約5.2万世帯/年)が利用していると推定できます。そのため、潜在需要29.4%の約22.0万世帯が利用意向があると捉えることができます。
注意点としては、高齢者を騙すような表現や手法、現地での営業は絶対に御法度です。
セグメント2:共働き世帯(成長ターゲット)
横浜市エリアを商圏とする場合、高齢者を軸に戦略を考えると成功する確率はあがりそうです
- 規模
- 横浜市推定約50万世帯(全国1,315万世帯の横浜シェア推定)
- 時間的制約
- 「時間を買う」ニーズが高く、単価を上げやすい
- デジタル親和性
- Webで検索・予約完結を好む
- 大型連休需要
- 特に、年末年始は過去5年で4.3倍増であり、この層が牽引
- 口コミ重視
- Googleマップ、SNSでの評判を徹底的にチェック
横浜市の共働き世帯の市場規模は約50万世帯あり、現在の利用率はおおよそ7.0%(約3.5万世帯/年)が利用していると推定できます。そのため、潜在需要29.4%の約14.7万世帯が利用意向があると捉えることができます。
顧客セグメント別の戦略マトリクス
| セグメント | 優先度 | 主要サービス | 集客チャネル | 価格戦略 |
|---|---|---|---|---|
| 高齢者持ち家世帯 | 最優先 | 定期メンテナンス(エアコン、浴室、レンジフード) | 折込チラシ、地域イベント、電話予約 | 中〜高価格帯(信頼性重視) |
| 共働き世帯 | 成長重視 | 年末大掃除セット、水回りセット | SEO/MEO、SNS広告、Web予約 | 中価格帯(利便性重視) |
| 民営借家世帯 | ボリューム確保 | 退去時クリーニング ※原則、貸主負担 | 不動産会社連携、マッチングPF | 低〜中価格帯(価格競争) |
エリアマーケティング戦略(モデル:横浜市)
さて、エリアやターゲット層を決めた後は、どうやって攻めていくか?がポイントになります。公的機関や各種有効データを用意したうえで、横浜市に焦点を当てていきます。
| 優先度 | 区名 | 持ち家率 | 一戸建て率 | 分類 | 戦略 |
|---|---|---|---|---|---|
| 🎯最優先A | 戸塚区 | 68.4%(1位) ※全世帯の持ち家率 シニア世帯は推定80%超 | 42.6% | シニアファミリー (高齢者含む家族世帯が多い) | 折込チラシ集中投下 QRコード: 区別に分ける 電話番号を大きく表示 |
| 泉区 | 68.1%(2位) | 57.0%(1位) | シニアファミリー | ||
| 金沢区 | 67.9%(3位) | 34.9% | シニアファミリー | ||
| 港南区 | 67.8%(4位) | 42.6% | シニアファミリー | ||
| 栄区 | 67.0%(5位) | 47.9% | シニアファミリー (最高齢化率) | ||
| ✅優先B | 旭区 | 64.2% | 49.9% | シニアファミリー | チラシ投下 (最優先A区の反応を見てから) |
| 瀬谷区 | 63.8% | 53.3%(2位) | シニアファミリー | ||
| 優先C | 保土ヶ谷区 | 62.5% | – | シニアファミリー | Web集客中心 チラシは補助的 |
| 磯子区 | 61.2% | – | 円熟安定 | ||
| 緑区 | 59.1% | – | 若年ファミリー | ||
| 共働き向け | 都筑区 | 59.8% | 15.2% | 若年ファミリー | Web広告・SNS中心 年末大掃除キャンペーン |
| 青葉区 | 59.5% | 28.7% | 若年ファミリー | ||
| 鶴見区 | 54.6% | – | 若年シングル | ||
| 退去需要 | 神奈川区 | 51.7% | – | 若年シングル | 不動産会社連携 マッチングPF登録 |
| 港北区 | 52.2% | – | 若年シングル | ||
| 西区 | 53.0% | – | 繁華街 | ||
| 中区 | 50.4% | – | 繁華街 | ||
| 南区 | 58.2% | – | 若年シングル |
上記をバブルチャートで示すとこうなります。

最優先Aの5区(戸塚・泉・金沢・港南・栄)で、横浜市の高齢者持ち家世帯の約40%をカバーできる可能性があります。
最優先Aの5区は、持ち家率67%超×高齢化率が高く、「定期メンテナンス需要」が最も見込めるエリアです。チラシ投下のROIが最も高い地域と言えます。
最優先A(5区)
戸塚・泉・金沢・港南・栄
主要チャネル
- 折込チラシ
- 電話予約対応(必須)
- 地域イベント出展
- 口コミ紹介制度
共働き世帯(3区)
都筑・青葉・鶴見
主要チャネル
- Google検索広告
- Instagram/Facebook広告
- Web予約システム
- 年末キャンペーン
退去需要(5区)
神奈川・港北・西・中・南
主要チャネル
- 不動産会社連携
- マッチングPF登録
- Google検索広告
- 価格競争力が重要
あくまで例ですが、上記のように区×年齢×持ち家比率等でセグメントし、地域ごとに戦略を変えていきます。
ここで重要なのは、一律でチラシ配布や検索広告を設定しないことです。初動では全地域に一斉配信することは間違っていませんが、地域に特性があることを想定し大胆に施策を切り分ける戦略と実行が最終的に大きな収益の差に繋がります。
最優先A区でのチラシ投下
最優先A区の戸塚区でシミュレーションを引き、この期待値が実態とどう違ってくるのか、想定通りなのかを検証してくとPDCAサイクルを回せるようになるでしょう。
| 項目 | 数値 | 計算根拠 |
|---|---|---|
| 配布枚数 | 10,000枚 | 戸塚区の持ち家世帯の約5% |
| 配布コスト | 50,000円 | 印刷費3円/枚 + 折込手数料2円/枚 |
| 反応率(問い合わせ) | 0.5%(50件) | 高齢者向けチラシの平均反応率 |
| 成約率 | 30%(15件) | 問い合わせ後の成約率 |
| 平均顧客単価 | 35,000円 | 水回り3点セット等 |
| 売上 | 525,000円 | 15件 × 35,000円 |
| 粗利益(40%) | 210,000円 | 525,000円 × 40% |
| ROI | 320% | (210,000円 – 50,000円) / 50,000円 |
上記は想定値であり、配布コストやチラシのデザイン、キャッチコピーによっても変動します。
エリアマーケティングの成功は、「全エリアに均等に投資する」のではなく、「優先度の高いエリアに集中投下し、データで効果を検証する」ことが鍵です。
最優先A区から始め、反応率を見ながら拡大していきましょう。
なお、チラシ配布する時には、QRコードや電話番号の内容をエリアごとに分けておきましょう。区ごとにQRコードや電話番号を分けることで、以下のデータが取得できます。
- 区別の反応率
- 戸塚区からの問い合わせが多い → 戸塚区のチラシ投下を増やす
- チラシデザインのA/Bテスト
- デザインAとBを異なる区で配布し、効果を比較
- 配布エリアの最適化
- 反応率の低いエリアは次回から除外
- Web流入の追跡
- QRコードからWebサイトに流入した人数、成約率を測定
闇雲にチラシを配布しても、どれがよくてどれがダメなのか?の詳細分析ができず、「何となく良かったor悪かった」の2点だけに終着し、改善を続けることができないので、チラシ配布をするときは必ずデータを取得できるような状態にしておくこともポイントです。
なお、業界問わずチラシの反響率の目安は下記です。
- ポスティング:0.2〜0.5%(200〜500枚に1件の反応)
- 新聞折込:0.01〜0.3%(1,000〜10,000枚に1件の反応)
- クーポン付きチラシ:2.2%(実例、45枚に1件)
持続可能な成長戦略 ― ToC×ToBのハイブリッド戦略
ここまで、家庭向けハウスクリーニング(ToC)の戦略を中心に解説してきました。しかし、家庭向けだけでは、大手チェーンや個人事業主との価格競争に巻き込まれ、消耗戦になるリスクがあります。
そこで重要になるのが、法人契約(ToB)との組み合わせです。特に、賃貸アパート・賃貸マンションの退去時清掃を一括受注することで、安定した収益基盤を構築できます。
なぜ家庭向け(ToC)だけでは厳しいのか?
家庭向け(ToC)戦略では、ジリ貧かつコスパが良くない傾向になりやすい要素が3つあります。
競合の増加
年10%増
個人事業主の参入が加速
価格競争の激化
-15%
ポータルサイトで価格下落
季節変動リスク
大型連休集中
11-12月に売上の40%集中
まず、競合が増えるほど、特に個人事業主が参入してくると価格競争が激化します。
さらに、季節変動が大きいうえに、安定収益が難しい背景もあります。
決定的な要因は、リピート率が低い(年1回利用が多数)ので毎年毎年同様の予算をかけていくことで見通しが立たない経営状況になりがちだからです。ましてや、ハウスクリーニング業界は手に色であるため、エース級の社員が次々と独立しがちなサービス属性もあるため、社内外に大きなリスクを秘めています。
法人契約(ToB)の戦略的価値
一方で、賃貸管理会社との法人契約は、以下のメリットがあり個人事業主ではなかなか入り込む余地がない部分があります。
- 安定した受注量
- 毎月一定数の退去が発生し、安定した仕事が確保できる
- 新規顧客獲得コストゼロ
- 管理会社が案件を振ってくれるため、広告費不要
- 季節変動の平準化
- 退去は年間を通じて発生するため、繁閑差が少ない
- 効率的な作業
- 同じ建物内で複数室をまとめて清掃でき、移動時間が削減
- 長期的な取引
- 一度信頼を得れば、継続的な取引が期待できる
継続的な取引を期待できる=売上の見込みが立ちやすいことは、ハウスクリーニング業界にとってもっとも安心できる材料でしょう。
横浜市の賃貸マーケット規模と獲得戦略
概算分析ですが、調べていくと横浜市だけで、年間21億円規模の退去時クリーニング市場が存在します。この市場は、家庭向けとは異なり、法人取引による安定受注の母数を示しています。
| 項目 | 数値 | 計算根拠 |
|---|---|---|
| 民営借家世帯数 | 553,000世帯 | 横浜市統計(2018年) |
| 年間退去率 | 15% | 賃貸業界平均(単身向けは20%、ファミリーは10%) |
| 年間退去件数 | 約83,000件 | 553,000 × 15% |
| 1件あたり単価 | 25,000円 | 1R/1K平均(法人契約価格) |
| 市場規模(推定) | 約21億円 | 83,000件 × 25,000円 |
ただし、すでに取引を締結しているアパートやマンションは存在しているため、そこをリプレイスするか新規で立つ建物を一気に引き受けるような営業が必要になってきます。
そんなに甘くない世界ですが、オーソドックスな攻め方としては下記が妥当と言えます。
- ターゲット選定
- 横浜市内で物件を多数管理する地場の管理会社(大手は既存業者と契約済み)
- 差別化ポイント
- 迅速対応(退去翌日対応可能)
- 料金の明瞭性(追加料金なし)
- 写真報告書の提出
- 初回提案
- 「1物件無料お試し清掃」で品質を実感してもらう
- 価格戦略
- ToC価格の70-80%で設定(ただし、安定受注で収益確保)
- 信頼構築
- 継続的なコミュニケーション、クレーム即対応、定期訪問
もし、家庭向け(ToC)のデジタルマーケティグ戦略に苦戦しているのならば、思考を変えて法人契約(ToB)戦略にトライすることもぜひ検討してみてください。
まとめ
ハウスクリーニング業界は、「全体のパイは拡大しているが、『信頼される業者』『地域密着型の戦略』を持つ事業者に需要が集中する市場」になっていて、単なる既存のSEO・MEO対策だけでは大手に勝つことが難しい世界になっています。
また、貴社の商圏範囲(市場全体)を俯瞰したうえで、商圏に合わせた戦略を設計していきましょう。
繰り返しますが、「普通にやって勝てる」時代は終わりました。エリアにもよりますが家庭向けで信頼を築き、法人契約で安定させる――このハイブリッド戦略が、持続可能な成長の鍵かもしれません。

