チラシを月2万枚撒いたのに、問い合わせが3件だった
リスティング広告もやった、Instagramも始めた、Googleビジネスプロフィールも登録した。それでも数字が安定しない。
集客が伸び悩んでいたケースの8割に共通していたのは「施策の選び方」の問題ではありませんでした。原因はもっと手前で、自社の商圏にどれだけの世帯があり、競合が何社いて、どこにポジションを取るかという設計が、すっぽり抜けていたことです。
この記事の結論
- 外壁塗装の集客は「今すぐ施策」「半年で資産化する施策」「1年後に効く施策」を分けて考えるのが基本
- うまくいかない会社の共通原因は、市場分析なし・施策の分散・下請けやポータルサイトへの依存の3つ
- 市場分析→ポジション設計→施策選定の順番を守ると、月の問い合わせ数は安定しやすくなる
- 2026年以降はAI検索の普及で「施工プロセスの透明性」をWeb上に蓄積できている会社に問い合わせが集中する
”勝ち筋”は見えていますか?
Question 1/5
Q1.
競合と自社の「差分」や「立ち位置」を、
毎月定量的に把握できていますか?
なぜ集客がうまくいかないのか?外壁塗装会社に共通する3つの原因
外壁塗装を含む住宅塗装の市場規模は約2兆8,000億円(リフォーム産業新聞・2020年時点)。リフォーム品目別でトップの座にあり、需要は底堅い。
それでも集客に苦戦する会社が増えているのは、業界構造と消費者行動が同時に変わっているからです。当社に相談に来る塗装会社の失敗パターンを分類すると、原因は3つに集約されます。
Web集客の仕組みはありますか?
Question 1/5
Q1.
ポータルサイト経由ではなく
自社サイトからの「直接受注」が5割を超えていますか?
原因①:市場分析なしで施策を始めている
これが最多です。
商圏の戸建て世帯数も、競合の数も把握しないまま「とりあえずチラシ」「とりあえずリスティング」をやっている。結果、刺さらない施策に広告費を投下し続けることになります。
背景として知っておくべきなのは、ここ数年で商圏内の競合密度が急上昇していることです。元下請け職人の独立開業、他業種リフォーム会社の「外壁塗装専門店」展開、家電量販店やホームセンターなど大手資本の参入といった様々な理由が混在しています。
5年前と同じ感覚で施策を打っても当たらないのは、競合環境そのものが変わっているからです。市場分析の具体的なやり方は後半の「市場を分析する」パートで詳しく書きます。
原因②:施策を広げすぎてどれも中途半端になっている
SEOもMEOもInstagramもYouTubeもチラシも全部やろうとして、結局どれも更新が止まります。社長と事務員の2人体制で全施策を回すのは物理的に無理です。
しかも消費者の行動も変わっています。
チラシを見てすぐ電話する人はほぼいなくなり、まずスマホで「外壁塗装 ○○市」「外壁塗装 費用」と検索して3〜5社を比較してから問い合わせるのが標準になりました。
つまりオンライン施策を「やらない」選択肢はもうないと言ってよいでしょう。だからこそ、限られたリソースの中でフェーズごとに優先順位をつけ、「今の自社で回せる施策」を2〜3個に絞ることが先です。
原因③:下請けやポータルサイトへの依存から抜けられない
ポータルサイト経由の受注は手数料や仲介コストが差し引かれるため利益率が低くなります。
下請けも同様で、工賃が叩かれて利益が残りません。
「自社集客の仕組みを作る」必要があると頭ではわかっていても、目の前のキャッシュフローを考えると下請けを切れない構造が、集客への投資を後回しにさせています。
正直に言うと、下請け比率を一気にゼロにするのは現実的ではありません。
下請けで資金を確保しながら、並行して自社集客の仕組みを1つずつ積み上げていく。当社はこの「段階的な移行設計」をクライアントと一緒に組むことが多いです。
どの施策から手をつけるべきか?——フェーズ別の全体像
ここから具体的な施策に入ります。まず全体像を一覧テーブルで見てください。自社の状況に合ったフェーズから読み進めてもらえればOKです。
| フェーズ | 施策 | 費用感(月額目安) | 成果が出るまでの目安 | 向いている会社 |
|---|---|---|---|---|
| 今すぐ | リスティング広告 | 15〜50万円 | 即日〜1ヶ月 | 広告予算があり、すぐ問い合わせが必要 |
| 今すぐ | MEO(Googleビジネスプロフィール) | 0〜5万円 | 1〜3ヶ月 | 店舗・事務所がある全ての塗装会社 |
| 半年で資産化 | 自社サイトSEO | 5〜20万円 | 3〜6ヶ月 | 広告費ゼロの集客を作りたい会社 |
| 半年で資産化 | Instagram運用 | 0〜30万円 | 3〜6ヶ月 | ビフォーアフター写真が撮れる会社 |
| 1年後に効く | YouTube | 0〜10万円 | 6ヶ月〜1年 | 社長が顔出しで話せる会社 |
| 1年後に効く | 紹介の仕組み化 | ほぼ0円 | 3ヶ月〜 | 既存顧客との関係が良好な会社 |
チラシ・ポスティングは上記のどのフェーズとも併用可能です。
配布エリアを築10年以上の戸建て密集地域に絞り、チラシにQRコードを入れてホームページやLINE公式アカウントへの導線を作ると、オフライン→オンラインの流れができます。
【フェーズ1】今すぐ問い合わせが欲しい
リスティング広告で「今すぐ客」を獲る
「外壁塗装 見積もり ○○市」で検索しているユーザーは、まさに今業者を探しています。広告を出せば公開初日から問い合わせが取れる可能性がある、最も即効性の高い手段です。
LPに入れるべきは、下記5点。
- 商圏を明示(「○○市対応」)
- 施工事例の写真を5件以上
- 施工保証の内容
- お客様の声3件以上
- 見積もり無料のCTAボタン
この5つが揃ったLPと揃っていないLPでは、CVR(コンバージョン率)に2〜3倍の差が出ます。
参考数値として、外壁塗装のリスティング広告のCVRは一般的に2〜3%。月の広告予算30万円・平均CPC800円なら約375クリック、CVR2.5%で月9件前後の問い合わせ。自社の成約率40%をかければ月3〜4件の受注、客単価100万円で月300〜400万円の売上。この計算を自社の数字で回してから投資判断してください。
MEO対策で「地域検索の入口」を押さえる
「外壁塗装 ○○市」でGoogle検索すると、通常の検索結果より上にマップ枠が出ます。
ここに表示されるかどうかで月の問い合わせ数は変わります。
やるべきは3つ。Googleビジネスプロフィールの情報を正確に埋めること、施工完了後にお客様へ口コミ投稿をお願いすること、週1回以上の投稿更新です。
【フェーズ2】半年かけて「資産」を作る
SEO対策&LLMO対策
リスティング広告は止めればゼロ。SEOで検索上位を取ったページは止めなくてもアクセスが来続ける。この「蓄積性」がSEOの価値です。
外壁塗装のSEOで最もリターンが大きいのは施工事例ページの量産。「施工前→施工中→施工後」の写真に、使用塗料・工期・費用目安・お客様の感想を1ページにまとめるといったような計画が重要です。
Instagram運用
Instagramと外壁塗装業界の相性が良い理由は、外壁塗装が「見た目の変化が大きい工事」だからです。
施工前のくすんだ外壁と、施工後のツヤのある仕上がりを横に並べるだけで、テキスト1,000文字分の説得力があります。しかもInstagramは40〜50代の利用も増えており、外壁塗装を検討する年代と重なる。「若い人しか見ていない」は過去の話です。
推奨する実践型は3つ。
- ビフォーアフター投稿(施工前後の写真+「○○市 築15年 シリコン塗料 工期12日」のスペック記載)
- リール動画(施工タイムラプスを15〜30秒で。フィード投稿の3〜5倍のリーチが出る)
- 「中の人」投稿(社長や職人のキャラクターが見える現場レポート)。
ハッシュタグは「#外壁塗装」「#外壁塗装○○市」に加え、「#マイホーム記録」「#家メンテナンス」のような生活系タグを併用。投稿頻度は最低週3回。
【フェーズ3】1年後に効いてくる——長期施策
YouTube
「外壁塗装 費用」「外壁塗装 業者 選び方」はYouTube内でも検索されています。
なぜ動画が効くかというと、外壁塗装は「誰が施工するか」への不安が大きい買い物だからです。5〜10分の動画で社長自ら費用の内訳や塗料の選び方を解説すると、テキストでは伝わらない「人柄」と「専門性」が同時に伝わり、「この人に頼みたい」という指名の動機を作れます。
実行ステップは3つ。
- スマホ1台で「外壁塗装の費用の内訳」「塗料の選び方」「業者選びで失敗しないポイント」など、ユーザーの疑問に1本1テーマで答える動画を撮影
- タイトルに「○○市」などの地域名を入れる
- 週1本のペースで半年間続ける。動画はGoogle検索結果にも表示されるのでSEOとの相乗効果がある。
紹介の仕組み化
既存顧客からの紹介は全チャネル中で最も成約率が高い。にもかかわらず「たまたま来るもの」として放置されている会社が多いです。
やるべきは3つ。
- 施工完了3日以内に御礼連絡
- 半年後・1年後の定期点検をリマインダーで仕組み化
- 紹介特典(商品券3,000〜5,000円)を用意して一言添える(例)
施策を打つ前に、市場を分析する
ここまでフェーズ別に施策を整理しました。ただ、ここからが本題です。
- 自社の商圏に戸建て住宅が何世帯あるのか
- 築10年以上はどれくらいか
- 競合は何社いて、それぞれ低価格型なのか高品質型なのか
- 自社はどのポジションを取るのか
この設計がないまま施策を打つのは、地図なしで山に入るのと同じです。当社がお客様の集客設計を行うとき、最初に出す数字は3つです。
総務省の住宅・土地統計調査から戸建て住宅数と築年数分布を確認し、築10年以上の数に年間実施率(3〜5%)をかけて年間需要件数を推定します。たとえば人口15万人の都市で戸建て3万戸・築10年以上が1.8万戸なら、年間540〜900件の需要がある計算です。
Google検索でSEO上位・リスティング広告・Googleマップを洗い出し、各社の施工事例数・口コミ数・訴求軸を分類します。
ニーズ量と競合の布陣がわかれば「どこが空いているか」が見える。価格競争が激しい商圏なら「施工プロセスの透明性」で差別化する、競合が大手中心なら「地元密着の即日対応」で勝負する
当社が作成した外壁塗装業界の市場動向レポートでは、2026年の業界トレンドとして「価格比較」から「プロセス比較」へと消費者の選び方が変わっている現状を、住宅ストックのデータとともにまとめています。商圏分析の出発点として活用してください。
▶ 【2026年】外壁塗装業界の市場動向|「価格比較」から「プロセス比較」へ
自社でやるか、プロに任せるか?判断の基準
「で、これ全部自分でやるの?」という疑問が当然出ると思います。
正直に言うと、社内にWeb担当がいない塗装会社がリスティング広告の運用・SEO・SNS運用をすべて自走するのは無理があります。
月の広告・マーケ予算が15万円以下、かつ社内にWebがわかる人間がいない場合は、まずMEO対策と施工事例ページの追加だけを自社で回す。それ以外(リスティング広告・SEO設計・SNS運用)は外部のパートナーに任せるほうが結果的にコストパフォーマンスが良いケースが多いです。
外注する場合のチェックポイントは3つ。
- 外壁塗装(住宅リフォーム)業界の支援実績があるか
- 毎月の数値レポートと改善提案が出てくるか
- 最低契約期間が長すぎないか(6ヶ月以上の縛りは要注意)
逆に月の予算が30万円以上あり、社内にブログを書ける人がいるなら、SEOとInstagramは自社で回しつつ、リスティング広告の運用だけ外注するという分担も現実的です。
AI検索時代に外壁塗装会社が仕込んでおくべきこと
最後にもう1点。2025年以降、GoogleのAI OverviewsやChatGPTで業者を探すユーザーが増えています。AI検索では、Web上に「この会社は何者か」「施工実績はあるか」「利用者の評判は」という情報が構造的に存在していないと、AIの回答に含まれません。
施工事例ページ、Googleの口コミ、SNSの投稿、YouTubeの動画——これらを地道に蓄積し続けることが、AI検索時代の「存在証明」になります。
LLMOの基本的な考え方やAIO対策の基礎は別記事でまとめているので、興味のある方は参考にしてください。
「うちの商圏で、どこにチャンスがあるか知りたい」と思ったら
外壁塗装の集客は、施策の数を増やせば解決するものではありません。
自社の商圏を数字で理解し、競合の中で勝てるポジションを見つけ、そこに合った施策を集中的に打つ。この「分析→設計→実行」のサイクルを回せるかが、安定した問い合わせを生む分かれ目です。
当社は「社外マーケティング室」として中小企業のマーケティングを一気通貫で支援しています。市場分析から戦略設計、SEO・SNS・広告の実行まで、社内にマーケ担当がいなくても回せる体制を一緒に作ります。
よくある質問
外壁塗装業界の集客に関するFAQです。

